依然根強い、中高年の会社依存志向
まず、サラリーマン全体の特性を分析してみる。
一般的には自己中心型などサラリーマンの脱「会社人間」化が進みつつあるといわれて いる。
しかし、自己中心型も含めてその意識の底流にはいぜん根強い会社への依存志向がある。
現代日本サラリーマン4つのパターン
サラリーマンの典型的パターンについて興味深い調査がある。
日本リサーチ総合研究所が行った意識調査である。
同調査は「企業帰属意識」(会社のためなら意識)と「時間拘束度」(会社への縛りつけられ度)の相関分析により、サラリーマンの代表的パターンとして4つをあげている。
(1) 会社中心型……典型的な「会社人間」であり、男性、特に30代以上、高学歴者に多い。
(2) 寄らば大樹型……恵まれたサラリーマンがその典型であり、大企業、公務員、管理職に多くみられる。
時間拘束度が低いのは大組織に属するためで意識面では会社中心型同様「会社人間」である。
(3) 自己矛盾型……厳しい勤めのサラリーマンということとなり、専門職、技能職、労務職、小企業に多いパターン。
仕事が生き甲斐派と現場労働者の2タイプがある。
(4) 自分中心型……若者・OLに多いパターン。
大企業、女性で年齢的には20代・30代に多い。
以上が、サラリーマンの代表的パターンである。
共通する会社への根強い愛着と帰属意識
このようにサラリーマンは4つのパターンに区分できるが、考え方の底にある企業への愛着と帰属意識では全くといっていいほど共通している。
日本リサーチ総合研究所調査は次のような結果を示している。
「今の勤め先に誇りを持っている」のは全体平均で75%。
会社中心型の85%は当然として、帰属意識が低いとみられる自分中心型でも74%、自己矛盾型でも68%となっている。
「勤め先のためなら多少不満があっても一致協力する」というのは全体平均で74%。
会社中心型は84%。
自己矛盾型でも73%、自分中心型でも64%と6割を超えている。
働くことへの考え方や行動に関係なく、多くのサラリーマンは会社に対して愛着や好意、貢献意欲を持っている「会社人間」であるということが出来る。
日本的雇用制度維持も各タイプ共通志向
会社人間である一方で、サラリーマンの転職願望は高い。
「チャンスがあれば転職したい」とするのは、全体平均で45%。
自分中心型で52%。
企業中心型・寄らば大樹型でも37%、33%と、3人に1人はチャンスがあれば転職したいと考えていることになる。
しかし、現在の日本的雇用システムには肯定的で、出来ればこのままずっとサラリーマンでいたいとする層が圧倒的である。
即ち、「終身雇用はこれからも続いた方がよい」とするのは全体平均で73%。
会社中心型は78%。
自己矛盾型は71%とやや低いが、自分中心型は74%で平均をやや上回る。
会社に対していろいろ文句を云う層でも、気楽なサラリーマンという身分でずっと過ごしたい願望が強いことを示している。
また、「年功賃金はこれからも続いたほうがよい」とするのは全体平均で71%。
会社中心型で75%、自分中心型でも70%と各タイプ共に高い。
企業側がこれまでの日本的雇用システムの見直しの動きが始まっているのに対し、サラリーマンサイドはこの制度の現状維持による生活安定を求める意識が高いことをこの調査は示している。
つまり、会社中心型から自分中心型に至るまで、サラリーマンの会社依存志向は共通だということである。
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