中高年ホワイトカラーが生き残る方法
人材流動化時代が始まったというが…、
日本的雇用システムが大きくゆらぐと共にサラリーマンの会社への帰属意識はうすれ、転職志向は高まっている。
しかも、労働市場においても人材の流動化が着々と進んでいる。
しかし、中高年層の転職にあたっては、人材流動化の恩恵を受けるには大きな壁がある。
中高年にも高い転職志向
40歳以上の男子社員の4人に1人が「会社への帰属意識が薄れている」。
これは、日本経済新聞社が主要企業男性社員を対象に行ったアンケート調査の結果である。
「バブル崩壊前と比べ会社への帰属意識は変わったか」との質問に対し、3人に1人の35%が「今まで通り」としているが、「薄れた」とするものも5人に1人の19%いる。
こうした傾向の中で特に注目したいのは、40代の23%、50代の26%と、年代が上がるにしたがって「会社への帰属意識が薄れた」とする比率が高いことである。
これは、永年忠実に勤めあげてきた会社への不信感の表現であり、その根底にはリストラの要員になりかねない状況にある中高年社員の不安感がある。
次に、年齢別の転職志向を比較してみるが、若い人の転職志向が盲いのは当然だが、中高年層もけっこう高い。
40代で2人に1人の48%、50代で3人に1人の33%が、「自分の能力や適性が発揮できるならば転職したい」としている。
だが、中高年には厳しい現実
会社への帰属意識は薄れ転職願望の高まっている中高年サラリーマンだが、その再就職はすでに生易しいものではなくなっている。
目下の情勢は転職先が見つかればまだいい方で、あったとしても大幅の条件ダウンとなるケースが圧倒的だ。
大企業ホワイトカラーを例にとってみると、中高年の移動先は約90%が中小企業。
年収はだいたい20〜30%はダウンするといわれている。
現在、人材流動化時代が始まったといわれているが、これは若者についてあてはまることである。
50歳を境にしてそれより上の世代は転職条件はダウンし、それより下の世代はより大きな企業へ転職し賃金が上昇する傾向にある。
20〜30歳代前半まではこの傾向が特に著しい。
これは、転職市場とは本来若者を中心とした市場だからである。
つまり、賃金が低い若い層であれば、求職側からは賃金アップの可能性があり、求人側から見れば能力向上と生産性アップが見込め、そこで人材の流動化が活発になる。
ところが、中高年サラリーマンの場合はこうした条件が逆であり、中高年にとって転職は厳しいこととなる。
なお、20〜30歳代の転職肯定派は60〜70%。
転職への抵抗感のなし20歳代は現在でも転職経験率が40%、これが将来は80%にも達するという見方がある。
現在、将来共に人材の流動化は若者を中心として進んで行くものとみられる。
自己革新が転職成功のキメテ
現在、過剰労働力の受け皿として期待されているのが、成長分野の中小企業。
その中小企業は「大企業の中高年はいらない」という見方が大多数である。
労働者が中小企業を対象に行った調査によれば、中小企業の63%は「大企業でキャリアを積んだ40歳以上の人材(ホワイトカラー)を積極的には受け入れたくない」としている。
その理由の主なものは次の通りである。
(1) 前職(転職者の)にふさわしい賃金が出せない……56%
(2) 中小企業らしい幅広い業務ができない……46%
(3) 従業員との意識ギャップが大きい……44%
(4) プライドが高く使いにくい……30%
(5) 現在人材が不足していない……26%
一方、中小企業への転職者の選択の決め手となった条件は、
(1) 仕事の内容……23%
(2) 自分に対する期待度……10%
(3) えり好みの余裕がなかった……9%
(4) 会社の将来性……8%
(5) 社長の人柄……7%
(6) 給与・ボーナス……5%
などが主な選択ポイントで、給与よりも仕事の内容と自分に対する期待度が決定要因として上位にある。
中高年ホワイトカラーが中小企業など新しい職場で必要な人材になるためには、過去の栄光は完全にかなぐり捨てて、まず、自分自身を変えることからスタートすることが必要である。
具体的には、
(1)給与など雇用条件よりも仕事への情熱を第一とする
(2)前職のキャリア・専門性にこだわらず、1人何役をこなすなど未知の仕事にも積極的に対応する
(3)中小企業とその社員が持つ技術や仕事のやり方を学ぶ
(4)その上で、これまで大企業等で蓄積したキャリア・技術を最大限に活かし、新環境にふさわしい仕事づくりに挑戦する
ことである。
つまり、転職を機会に会社依存人間だった過去と断絶し、新天地で自分の足で立つ「自立」する自分を確立することである。
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