変化に対応出来ない中高年サラリーマン
以前の記事で、「中高年サラリーマンよ。勝ち残るために自己革新と自立を目指せ」と提言した。
多くのサラリーマンの方々はおそらく、
「そんなことはわかっている。
しかし、理想論だ。
実際に出来ることならばとうにやっている」
と思われるに違いない。
ここでは、「わかっていることが、何故出来ないか?」について考えてみよう。
変化に対する共感性欠如とアレルギー
「この会社に入れば、決められたことキチンと忠実にやっている限り自分の一生は保証される」、
日本的経営はこうした寄らば大樹の陰という会社従属型社員集団をつくりだしてきた。
経済も市場も限りなく拡大しつづけるように見えていた。
会社も永遠の生命を持って発展しつづける。
業界は護送船団方式で戦略は横ならび。
社員は終身雇用・年功賃金という人事制度と企業内組合に守られている。
経営のやり方は全社員参画による意志統一。
協調重視の集団的チームワークが最も生産効率が高いとされた。
ここでは、企業も社員も、現在起こっているような大変革を予想しようともしなかったし、あえて変化を求めるような行動も排除された。
何故なら、何か違うものにチャレンジする、自己主張する社員はチームワークを最重視する会社という集団からは異分子として弾劾されたからである。
つまり、日本のこれまでの会社社会は「出る杭は打たれる」仕組みであったのである。
かくして、変化に鈍感であるか、あるいは変化を見ても見ないふりをする、変化にどう対処するか、その方法もわからない……、
即ち、変化に対する共感性と免疫がないままに、会社も社員も現在の大変革の時代を迎える迎えることとなったといえる。
中でも、順調すぎたともいえるサラリーマン生活をこれまで何十年も続けてきた中高年にとっては事態は深刻である。
これまで絶対大丈夫と信じていたサラリーマン社会が崩壊しようとしている。
まず第一には、リストラの嵐の中で早期退職優遇制度などで中高年社員に対する肩たたきが始まった。
会社は社員の面倒を一生みるという終身雇用制度を切り捨てようとしている。
先が見えない、この先どうしたらいいかという先行きに対する不安は高まるばかりである。
第二には、年俸制などインセンティブのある実力給の採用。
集団協調主義からスタープレイヤー重視型の給与制度への転換であり、自分はどう行動するか、どう自己を主張するかがわからないし、またその自信もない。
予想だにしなかった会社とそれをめぐる環境の大変革に遭遇、戸惑い、不安、そして自信喪失の状況にあるのが、中高年サラリーマンの多くの現状といえはしまいか。
気がつけば、会社にとって不要の存在
気がつけば、時代に取り残され、ツブシの効かない、会社にとって不要の存在になっているのが、上述の変化に対する不感症サラリーマンの最終的な姿となる。
何故、こうなるか、もう少し分析してみよう。
(1) 自分についての客観的評価が出来ない
企業の人事は一般的に非公開。
中高年の場合は上役がどう自分を評価しているかあいまいにしたまま何十年も勤めてあげてきた。
例えば、事務系管理職は最も生産性が低いと企業は最近認識し始めた。
中高年ホワイトカラーはそこに気がついているだろうか。
給与に見合うだけの稼ぎをしているだろうか。
その一方、自分は会社のこれまでの発展に貢献した企業戦士だという栄光を自負、リストラがあっても自分だけはわが社に残れると考えている。
ある会社だけの、しかも過去の栄光は第三者からは全く評価されない。
(2)環境変化への対応が消極的である
わかりやすい事例でいえば、「OA機器アレルギー」。
パソコンと 聞いただけで若手社員、女子社員に委せるという逃げの姿勢になる。
環境変化に対する逃げの姿勢はビジネスマンの現役引退であることに気がつかない。
(3)指示待ち人間として育っている
中高年の多くは環境変化への対応は経営者の役割で、自分たちはその指示に基づいて行動すればいいという発想が根づいている。
トップや上司に対して十分にモノが言えず、主体性のない行動しか出来ない。
(4)会社という温室に育ち、外に出る自信がない
職業能力についてであるが、「社内でピカいちの能力だと思う人」は3%、これに「かなり力がある方だ」43%を併せると、社員の46%は社内での力に自信を持っている。
これが、異業種他社ではとなると26%、外資系会社ではとなると13%に落ちる。
転職したくても 自信がないということである。
つまり、現代日本のサラリーマンの多くは「日本的経営システム」という温室の中で過保護に育っている。
会社の中では、ビジネスリーダーといわれる人といえども「温室の中でのお山の大将」といえるかもしれない。
(5)能力再開発を逃げる
中高年の多くは、自分の能力はすでにピークに達していると思っている。
だが、能力再開発を逃げる真因は別にあることが多い。
即ち、過去の実績への甘えであり、部下に対しては弱味を見せまいといる見栄である。
そして、追いつめられてやっと、OAの勉強、転職のための能力再開発に取りかかる中高年が多い。
以上、変化に目をつぶり、時代に取り残され、能力再開発の負と自信を喪失している中高年サラリーマンが、今日の切迫した状況下でも数多く見受けられる。
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