中高年の能力とキャリアは、まだまだ伸ばせる
中高年になると、「能力は伸びない」とするのは誤りである。
確かに記憶力などは年齢と共に下降して行く。
しかし、能力と知能には様々なものがあり、その中にはまだまだ成長するものもある。
また、職業的キャリアは本人次第でもあるが、これからもさらに蓄積して行くことが可能である。
中高年であっても知的能力は向上できる
比較的新しい学問として「生涯発達心理学」がある。
この学説がなかった25年ほど前までは知能には30歳から下降するというのが定説となっていた。
しかし、それは若い人を主対象としていた知能テストからの一面的判定であった。
生涯発達心理学によれば、知能には「流動性知能」と「結晶性知能」があり、その両面で知能の発達をとらえる。
第一の流動性知能は、いわゆる知能テストで判定される知能であり、児童期から青年初期の早い時期にピークに達する。
第二の結晶性知能は、語彙や社会的知識などの経験に裏打ちされ加齢と共に上昇して行く知能である。
これによって、職業、芸術、趣味など長期間その道に関わっていれば、年齢と共に能力は成長しつづける。
こうした人々は「エキスパート」と呼ばれ、その典型的なものは 齢の作家・画家などの芸術家、古典芸能・伝統工芸における名人である。
中高年ビジネスマンの場合も、これまでのキャリアを継続して磨きあげることにより「ビジネスエキスパート」になることができる。
キャリア発展の分岐点は45歳
知能の発達とは別に、「生涯キャリア発達」について研究がある。
それによれば、職業生活におけるキャリアの発達段階は大きく3段階に区分される。
(1) 探索段階……25歳頃までの大人の世界に入るまでの時期であり、平均的にみればキャリアは向上しない。 試行錯誤段階ともいえる
(2) 向上段階……25歳頃から45歳頃まで、試行錯誤を経て、本格的に職業的キャリアを蓄積して行く段階である
(3) 分岐段階……45歳を境にキャリアパフォーマンスは「成長・現状維持・停滞」の三群に分けられる。
その差異は、キャリア発達を意識した上で業務を行うかどうかにあるとしている。
どうやら45歳が、中高年のビジネスライフを左右する転換点であるようだ。
そして、この時期における能力開発への意識づけが最重要書題となっている。
これまでの平々凡々であるが順調ともいえたサラリーマン生活においては、中高年の能力再開発について特に動機といえるものがなかった。
現在は厳しい企業リストラの時代、中高年サラリーマンはたえず配置転換、出向、転職などの危機にさらされている。
これは強烈で切実な能力再開発への動機となる。
皮肉な見方をすれば、その結果、これまで眠っていた潜在能力が開発され、それにより新たなビジネスライフが拓けるとしたら、中高年者の後半生にとってむしろ幸運ともいえる。
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