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履歴書に自分のやった仕事が書けるか
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シニア・団塊世代は求められている人材を把握せよ
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中高年の脱サラが成功する人、失敗する人を分析してみる
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中高年の求人情報をどう見つけ出す?
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転職先をどう自分で見つけだすか
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中高年サラリーマンの転職の意義と成功条件
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履歴書に自分のやった仕事が書けるか
中高年には会社への帰属心が強かった。
「社宝」と呼ばれるまでには至らなくとも、なにかの形での会社からの認知を欲しがった傾向がある。
企業もまた、その心理を利用した。
業務改善活動や効率追求運動が大成功を収め、日本企業の競争力アップに結びついたのは、単に企業が求めただけではない。
裏には、そうした活動の推進が、サラリーマン管理職の切ない帰属心を満足させた事情もあるのではないか。
会社に貢献しているという気持ちが会社人間をますます会社へと傾斜させていったし、組織大事の管理職が必要ともされた。
ここで、あなたに一つ質問をしたい。
あなたは、履歴書に自分のやってきた仕事が書けるだろうか。
大企業のサラリーマンであればあるほど、おそらく黙り込んでしまうはずだ。
人材銀行には40代、50代のホワイトカラー管理職の登録が急増し、その数は、バブル時代の3割以上にも上っている。
そうしたサラリーマンに「あなたはなにをしましたか」と聞くと、
「係長、課長を経験しました。海外勤務もしました。地方勤務もしました」と一様に口にするということである。
このようなことは、しょせん履歴の一部分でしかない。
「自分はなにをしたのか」と尋ねることは、自分の仕事や個性、つまり差異を問うことである。
人と同じことをやった部分ではない。
いまいる会社というアイデンティティを離れても、頼れる自分があるかということだ。
スぺシャリティの問題である。
仮に、会社を辞めるというとき、会社が揺れるような差異の持ち主であれば言うことはない。
「自分はこういう仕事をやり遂げました」と語れる人は、それを武器にどこででも活躍できる。
自分のなかに、自分の発展性を持っている人である。
転職の場合は、それが顕著に出る。
あなたが採用担当者であれば、「私は○○会社の部長でした」というだけのこれといった能力もない人、経験した仕事もまったく同じという規格化されたサラリーマンに、だれが高いお金を出すだろうか。
頭を下げてまでもらい受けるだろうか。
いままでの日本企業では、どちらかといえば、記憶力のいい、暗記力のいい秀才型、官僚型の管理職が強みを発揮していた。
それは、アメリカといういいお手本があったからであり、その模範を間違いなく理解できる能力に意味があったからだ。
アメリカの10年後が日本と言われたように、技術にしても、ノウハウにしても、アメリカの軌跡をたどり、改良を加えればよかった。
課長にしても、部長にしても、それほど創造的なタイプは必要なかった。
そこでは「自分にはなにができるか」と問うことは、必要なかった。
あまり異質なもの、創造的なものを持ちこもうとすると、かえって嫉妬社会の反感を買い、「あいつまたスタンドプレーをしようとしている」とか「またまた向こうウケを狙って」などと非難されたものである。
極端に言えば、仕事はあまりできないが、ニコボン型とか、人情型とか、あるいはウマニンジン型管理職が幅を利かせていた。
変化の予感から、感性が重要、創造性が必要とは叫ばれていたが、これまでは目標達成型、任務遂行型の下士官タイプで十分に成果を挙げ得た。
またそうした人間が昇進していったことも事実である。
部下の能力を伸ばし、巧みに長所を引き出し、次代の人材・事業を育成することが管理職の重要な仕事であるのに、目先の仕事をうまく終わらせるためのテクニックが大事であると勘違いされていた。
しかし、仕事のできないニコポン型はもういらない。
「キミ、頼むよ」とにっこり笑って部下の肩をポンと叩こうとしても、ドライな新人類から「別の仕事がありますので」と、軽くいなされてしまうのがおちだろう。
人情型の値打ちも下落している。
とくに、プライバシーに干渉されるのを嫌う若い世代は、人情型上司を避けようとする。
職場進出目覚ましい女性社員の肩をポンと叩けばセクハラ騒ぎを引き起こしかねないし、また一杯飲み屋での強引なノミニケーションは不倫と間違えられる。
いまどきわびし気に一杯飲み屋でのノミニケーションをやっているのは、価値観の激変に戸惑う中高年と価値観の喪失に身を焦がしている団塊の世代だけである。
若い人はさっさと自分たちだけの仲間で飲み会を開いたり、アスレチッククラブで汗を流している。
ウマニンジン型上司も、若い人からはもうほとんど相手にされていない。
ライバルなどいらない、マイペースで会社人生を送りたいと言う世代だから、「ライバルに負けるな、頑張れ」は通用しないし、「頑張らなければ昇進できないぞ」と脅そうにも、もうポストレス時代だということをはっきりと知っているから、そんなニンジンは本気にはしない。
せいぜいが「アナクロなおっさん」というぐらいで終わってしまう。
仕事は自分で発想し、自分で判断するしかない時代である。
自力航海の時代に入っている。
そうした乾いた実力主義の時代には、ニコポン型とか、人情型とか、あるいはウマニンジン型管理職のいる場所はどんどん少なくなり、そのうち居場所がなくなるだろう。
いまや、トップだけにかぎらず、どういう仕事を自分がやり、そして部下にやらせるか、どういう方向へ部下を走らせていくかという戦略眼、判断力が管理職には必要とされている。
管理職とはミニ経営者である。
それが、管理職に要求される実力主義の「実力」の中身である。
履歴書に書くべき内容とは、そうしたものでなければならない。
カテゴリー:中高年の転職成功の秘訣
シニア・団塊世代は求められている人材を把握せよ
戦国時代のエリートと現代のエリート
リーダー、あるいはリーダーシップは、古くも新しいテーマである。
団塊の世代以上ともなれば、管理職に就いている人も多く、求められるリーダーシップとはなにか、求められるリーダー像とはなにかに心を砕く。
不透明な時代になればなるほど、そうしたリーダーシップというものは見えなくなる。
私も、
「いま求められている人材とはなにか、エリートとはなにか」
「求められているリーダーシップとはどういうものか」
という質問をよく受けるが、こうした抽象的な質問には、実のところ答えようがない。
というのは、企業の業種、置かれている状況や環境、規模、なにを目的としているかなどの条件によってそれこそ千差万別の解が出てくるからだ。
この種のものでサラリーマンに人気があるのは、気配りや人間関係術、悪く言えば社内遊泳術や社内力学術などを説くハウツー本であったり、戦国時代の武将や補佐役、太平洋戦争時の名将や参謀の言動を書いた本であったりする。
しかし、こうしたものから、サラリーマンが求める現代の人心掌握術、現代のリーダー像は浮かんではこない。
サラリーマンはそこの点を誤解している。
いまは「企業は戦時である」と言い、「企業戦国時代」とも言う。
そうした連想から学ぶべき点があるという主張もなるほどと思いがちだが、それらはあくまでもフィクションにすぎない。
たとえば、戦国武将が、武力や人望や人気だけで生き残ったというのは、どう考えても理解できない。
戦国の世の実力主義というものは、命を守るために何人もの影武者を立て、居場所も本当の側近しか知らないような苛赦誅求なものである。
現代のような成熟社会に生まれたわれわれにはとうてい想像できるものではない。
現代の企業競争、ポストレス社会には厳しいものがあるが、ひとつの判断の失敗が落命につながることはない。
命まで取ろうというのではないのが、現代の企業競争である。
いささか楽観的に言ってしまえば、肩叩きされても、転職に失敗しても、それがすなわち死を意味するものではないということである。
企業観も人生観も国家観も世界観も大きく変わっている。
全世界的なパラダイムが変換を遂げているのに、ことリーダー観だけは変わらないということはあり得ない。
その点を忘れないことである。
そうした戦国武将や名将・参謀ものは、やはり知的な刺激性に満ちたホラ話として読むべきである。
そこに書かれたきれいごと以外のところに、サラリーマンにとって本当に役立つどろどろした部分がある。
なにかを学ぼうとしても、畢境、現実とかけ離れたお話にすぎないと悟るべきである。
逆に言えば、リーダー諭がいつの時代でも変わらず語られる点にこそ真実がある。
普遍的なリーダー像は存在しないということである。
大事なことは、時代が変われば、求められる人材も変わるということである。
あえて言えば、いつの世にも通用する人材などない。
早い話、戦国時代に活躍した戦国武将を現代に持ってきても、果たしてなにができるか。
戦国の世をたった一人で切り拓いていった天才的な武将・織田信長は、現在の管理社会のなかでは、芸術の世界にしか自らを見出だせないであろう。
徳川家康は、せいぜいうまくいって財務次官程度であろう。
逆に、現代のエリートが戦国時代にタイムスリップしても、なにができるか。
これもたいしたことはできないだろう。
時代と状況が大きく違うのだから当然である。
言ってみれば、求められる人材、エリートはつねに状況エリートだということである。
企業のエリートとは、時代の環境、業種、企業のライフ・サイクル、構成員数など、そのつどの状況に応じて変質する。
A社のエリートが必ずB社でもエリートになれるわけではないし、いつまでもA社のエリートであり続けられる保障もない。
エリートとはつねに個別的なフローの存在であり、ストックの存在ではない。
その時宜に適した能力を発揮しない存在は、エリートとは呼ばれない。
能力とは「持ってなんぼ」のものではなく、「発揮してなんぼ」のものである。
普遍のエリート像などは存在しない。
ただし、現代のエリートを考えた場合、少なくとも感性が豊かでなければならない。
たとえば、女性の社会進出一つとってもそうだ。
女性を認められる管理職は、「センスのいい人」「感性豊かな人」である。
女性の社会進出を認められない管理職は、時代を読むセンスがないし、古い観念の持ち主である。
新人類を一概に見て、彼らは働こうとする意思がないと見るのも、同じ間違いを犯している。
彼らは、つまらない仕事、自分を楽しませてくれない仕事にはあまり興味を持たない。
その反面、自分の好きなことには徹夜も辞さない。
たとえば、コンピュータを使うことに彼らはアレルギーがない。
その面白さを知っている。
彼らにコンピュータを使って統計的な処理ばかりをさせていないで、その知識を生かして一つ自分で仕事を作ってみろぐらいの指示をする気持ちが欲しい。
そういう弾力性がこれからのリーダーシップであり、感性豊かなセンスのいい管理職がこれからの管理職である。
カテゴリー:中高年の転職成功の秘訣
中高年の脱サラが成功する人、失敗する人を分析してみる
中高年にとって、転職は難しい。
それならば、これを機会に長年勤めあげてきた息苦しいサラリーマン生活に別れを告げて、独立しようかという気運がこのところ高まりを見せている。
つまり、終身雇用神話の崩壊を背景とする「脱サラ」ブームである。
しかし、「脱サラ=自立」とは必ずしもならず、独立に成功すると は限らない。
あなたは「卒サラ」できるか
脱サラにより独立事業を始めた人の半数以上は、1年以内にその事業から撤退してしまっているという調査結果もある。
サラリーマンが脱サラし、独立に成功し、本当の意味での「自立」に至る道は険しい。
「会社寄生型人間」としての習性が染みついている中高年サラリーマン
サラリーマンは、基本的に会社従属型人間である。
特に、中高年社員の場合は、何十年も会社の仕組みの中に安住し、生活の全てを会社に依存してしまう習性が身に染みついている。
そこでは、多少 の失敗があろうと、成果があげられなくても、会社の命令にさえ従ってさえおれば人並みの給料と将来は保証されていた。
それが、独立するとなると全てが逆転してしまう。
自分の全財産 を賭けての独立であり、責任は誰もとってくれない。
仕事の方針は自分で決め、結果いかんにかかわらず従業員には給料を支払わねばならない。
全ては自分の責任となる。
即ち、事業家としての事業に対する姿勢、経営者としての経営に対する責任が問われる。
会社従属型人間、サラリーマンとのギャップはあまりにも大きい。
脱サラ成功・失敗の分岐点は、こうしたサラリーマンの習性から脱却できるかどうか、つまり、「卒サラ」できるかどうかにかかっているともいえる。
アダ花に終わらせるな中高年の独立
現在の独立ブームは「時代のアダ花」という見方もある。
極端な人不足で引く手あまたであった求職市場が、バブル崩壊を契機に極端な人余り市場へと大逆転。
今は、リストラされても転職 先はままならないという状況になっている。
そこへ、リストラの主要対象中高年サラリーマンには、早期退職優遇制度による退職金割増や様々な独立支援。
これが追い風となって、安易に独立へと走る危険な傾向も指摘されている。
独立はサラリーマンにとって究極の夢である。
しかし、中高年になってから独立は、年齢的にもやり直しがきかないことが多い。
やるからには必ず成功させなければならない。
現実には成功と失敗がある
こうした夢を求めての脱サラは、現実としてやがて二つのグループに分かれる。
成功と失敗という二つのグループに向ってである。
第一は事業として成功させ、さらに経営として発展させようとするグループである。
つまり、サラリーマンを卒業。 そのキャリアを生かし、あるいはそれをさらに発展させ、ビジネス社会では事業家、経営者というもろ一つ上のクラスにランク入りしようとする「卒サラ」グループである。
第二は、独立に失敗するグループ。
サラリーマンとしても失敗であった人も多く、ビジネス社会から脱落の方向にある。
もちろん、独立、あるいはサラリーマンへの再挑戦を続ける限り、完全な脱落はありえない。
サラリーマン独立のケーススタディ
サラリーマン独立の具体的検討に入る前に、ある企業における社員の独立についての実態を紹介してみることにする。
事例は前章でも取りあげた日本ユニシスの「進路選択支援プログラム」のその後の経過(スタート後1年7ヶ月の時点)である。
日本ユニシスを退社し、新たな進路を選択した社員は110名。
そのうち、再就職組は不況により転職先に恵まれないこともあり2割と少ない。
これに対し、ユニシスグループに依存しない完全独立組が8割を占めている。
独立選択の背景には、退職金と独立支援金を合わせると年齢によっては5,000万円もの事業資金が提供されるという魅力があったことも見逃せない。
また、制度が施行されて1ヶ月以内に独立を果たした人は10名もおり、早くから独立を目指していた人にとって独立支援金は渡りに船だったということもできる。
独立した社員の主な事業は、日本ユニシスに在籍していた時のキャリアを生かしたシステム開発受託・翻訳・海外向けコンサルティング、自分の趣味を生かした農業・大工・碁会所など、そのほかラーメン店・コンビニエンスストア・クリーニングチェーンなどとさまざまである。
制度制定後まもない途中経過であるが、独立して順調に業績をあげている人はまだほとんどいないとのが実情という。
しかし、自分の思う通りに生きたい、自分の趣味を生かしたいというのが独立の最大の理由とする人にとっては、仕事と時間がセルフコントロールできるようになり、会社時代のストレスが解消したことが満足になっているという。
以上、独立しても経済的に成功するまでには、相当の時間と苦労を必要とする。
しかし、経済よりも「ゆったりとした生活を送りたい」とする中高年者にはそれなりの満足が得られているといえる。
以上、「人事マネジメント」(アーバンプロデュース社)より。
以下、サラリーマン独立の代表的パターンについて具体的に検討することとする。
独立といっても様々なパターンがあるが、当サイトで取りあげるのは次の代表的な二つのケースである。
- (1) スペシャリストとしての独立
- (2) 個人事業による独立
カテゴリー:中高年の転職成功の秘訣
中高年の求人情報をどう見つけ出す?
条件の良い転職情報はきわめて少ない。
これをどう再就職にまで持ち込むか。
そして、就職には成功してもはたして転職先会社に定着できるかなど、中高年の成功には問題が多い。
転職成功までには二つのハードル
中高年サラリーマンの転職成功には二つの課題があるとされる。
第一は、自分を「さすが」と思わせるセールスポイント、あるいは転職先企業に適合する能力がないと相手先からみられる中高年サ ラリーマンが非常に多いということである。
何十年ものキャリア蓄積してきたのだ。
能力自体の問題もあろうが、同時に自分をアピールする力、相手企業への適応力の弱さも指摘できる。
第二は、大企業から中小企業へというように転職先企業のランクが下がることが多い。
ランクが下がれば給与も勤務条件もそれに伴って落ち込む。
これがまず転職決定にあたっての大きな壁になる。
そして再就職したとしても、新しい会社の企業環境とも社員ともなかなかなじめない。
こうして、有力情報があったとしても転職に成功しその会社に定着する中高年層の確率はきわめて低く、10人に1人もいればいいとさえ言われることになる。
そこで、転職を成功させる基本的条件として一般的にあげられるのは
- ・意識改革をせよ
- ・過去のプライドを捨てて、ゼロからスタートする心がまえを持て
といったことである。
転職を成功させるには、まず「心のあり方」を変えることから始めなければいけないようである。
以下、「こころ」の問題からスタートして、転職を成功に導く条件を具体的に検討してみることとする。
転職を「生き方を前向きに変える」チャンスとせよ
人生80年時代。 現在40歳の人はこれからさらに40年、50歳の人はさらに30年の人生を生きることになる。
若さを保持する秘訣の一つは、環境変化に対応して自己革新を行い続けることだという。
そうすれば、転職とは自己革新のチャンスであり、転職という機会は自分の若さを取り戻すために神が与えてくれた試練だと思う位の、「陽転思考」つまり前向きの気持ちが欲しいものである。
そのためには、「ゼロ」からスタートするといった気構えが必要である。
これまでは、前の会社のブランドに守られてその「ラベル(レッテル)」を自分にはりつけて仕事をしていた。
その会社を辞めれば、もうブランドとラベルは役に立たない。
自分自身の人間として価値と能力、即ち、自分自身の「レベル」が問われることになる。
そして、現在の自分はそれ以上の自分ではない。
この視点にたてば自分がはっきりと見えてくる。
何が自分の強味なのか、問題なのか。
裸にした自分で再スタートすれば、こわいものはない。
転職にあたっても、自分の何を売り込み、何を改善すればよいか、目標を明らかにした前向きのチャレンジが出来るようになる。
次は、これからの人生全体という大きな見方で、今回の転職がどのような意義があるか、その位置づけをはっきりさせることだ。
再就職により今後も会社生活を続けることになったというが、それはこれからの長い人生の中では一つの過程にすぎない。
もちろん、転職先の企業ブランド、役職が何であるかも大事なことである。
しかし、永い人生の視点にたてば、そこから何を学び、そこで自分をどう磨き、自分のこれからの人生にどう活かすかが、何よりも大切といえる。
転職にあたっては、企業ブランド、役職というラベルへのこだわりは捨てよう。
自分を充実させること、そこから人生全体を見すえた新しい展開を図ること。
これが、転職という神が与えた機会を前向きに活かすことになる。
自分の「セールスポイント」を打ち出せ
何十年も会社の云うま・まに「会社人間」として過ごしてきた中高年サラリーマンの多くは、自分自身の真の価値がわからなくなっている。
転職にあたっては、まず「商品」としての自分の価値を見つめ直すところからスタートする必要がある。
以前述べたように、転職市場での売りものは「自分自身」以外にない。
過去の会社経歴というブランド、役職というラベルも当然評価の材料にはなるが、それは参考資料にすぎない。
自分自身のキャリアと能力の特徴と長所は具体的にみて何であるか、弱点はあるがそれをどう克服しようとしているか、そして仕事に取り組む姿勢と意欲などを明らかにしなければならない。
つまり、自分自身の商品価値「セールスポイント」を明確にして、それを相手企業にそれを売り込み説得しなければならない。
あなたにはどのようなセールスポイントがあるか。
一例として、アメリカのMBA(経営学修士)プログラム用の評価項目を参考までにかかげておく。
転職におけるセールスポイントと共通するものがある。
- (1) 仕事の達成度
- (2) 計画遂行能力
- (3) リーダーシップ能力とグループスキル
- (4) 能力の活かしかた
- (5) 一般的能力と専門的能力の「コンビーテンス(競合性)とバランス」
- (6) 個人的インテグリティ(清廉さ)
- (7) 分析能力
- (8) 言葉による表現力
- (9) ユーモアのセンス
- (10) 自己鍛錬
- (11) 積極性と自信
- (12) 創造性とその質
- (13) マネージアル・ポテンシャリティ
- (14) リーダーシップ・ポテンシャリティ
自分をしっかりと売り込め
自分を売り込む機会は主として履歴書などの書類提出と面接である。
これについては類書も多いので、ここでは、多少技術的なこととはなるが、提出書類の一つ「職務経歴書」とそれに付随するものとして「自己PR書」を取り上げる。
中途採用の場合は、形式的な履歴書よりも職務経歴書を重視する傾向になっている。
求職する側にとっても、自分の全体像を具体的 に相手企業に示すだけでなく、書き方にもよるが自分のセールスポイントをしっかりと売り込むことも出来る。
職務経歴書の書き方としては、「編年体式」と「キャリア式」があり、この二つを組み合わせたものなどがある。
特に指定がない限り書き方は自由である。
編年体式とは、これまでの経歴の順に、いわば職歴の年表として作成する方法である。
始めに自分の職務の要約を示し、それに沿って実務経験を記述すれば、自分のキャリアの全体像を相手企業に客 観的に表現することが出来る。
それを、さらに強くアッピールするためには、実務のデータは具体的に数字で示す、担当した事業などは名称だけでなくその特徴まで示すなどの工夫が必要である。
また、表現上の留意点はくどくどと書かずに要点を簡潔にまとめることであり、箇条書あるいは表組みにするなど見やすいフォーマットにするべきである。
キャリア式はいうまでもなく、過去の職歴をキャリア毎にまとめる方式である。
これについても一目でわかるようなフォーマットにまとめるのがポイントである。
自分の希望する職種を強くアッピールするためには、関連のある職歴については表組にするなどのメリハリをつける、関連するプロジェクトに参加していた場合にはその中で果たした役割(例えばリーダー)とか成果を明記するなどの配慮も必要である。
当然のことながら、キャリアに関するものは、役職、実務、資格、免許など漏れなく記入する。
この職務経歴書に加えて、「自己PR書」の提出を求める企業が最近増加している。
求職者にとって自己PR書は、自分を売り込みライバルに差をつけるチャンスでもある。
相手企業から提出を求められなくても、職務経歴書に自己PRの項目を設けそこで自分を売り込むことが出来る。
この自己PRの目的は、すでに示した自分の真の価値をトコトン追求した結果である「自分自身のセールスポイント」を相手企業に対して明示することである。
記述する上での留意点には次のようなものがある。
(1) 簡潔に素直に自分のセールスポイントを表現する。
(2) 相手企業を出来るだけ分析し、相手企業にあわせて希望する職種とそれに対応する自分のキャリア、能力を明らかにする。
(3) 長所のみならず、短所も提示してみることも一つの方法。それをどう克服しようとしているかも加える。
こうした姿勢は誠実さと自己啓発への意欲があると評価されることにもなる。
(4) これまでの会社の批判はしない。 むしろ、そこで何を学んだかをアッピールする。
(5) 記述の仕方は、読みやすさ、わかりやすさが大切である。
そのためには記述量としてはレポート用紙2枚以内、論理的な全体構成、読みやすいレイアウト、手書の場合はていねいでしっかりした文字で書くことなどが望まれる。
こうした自己PR書作成にあたっての留意点は、面接に際しての心がまえとも共通するものがある。
参考にしていただきたい。
ウイークポイントは逆に生かせ
自分の売り込みが成功して再就職は出来た。
しかし、自分の短所、弱点への対処の仕方如何によっては、せっかくの転職先を去らざるをえなくなることも多く見受けられる。
本来、ウイークポイントとは自分の売り込みに成功したストロングポイントの裏側によくあるものであり、表裏一体となっているこ とも多い。
そして、自分のウイークポイントについては、面接の際だけでなく新しい会社に入ってからも、それを隠そうとする、あるいは隠そうとしないまでもそれを避けて通ろうとする傾向がある。
しかし、それはいつかは必ず外に現れる。
そして、その時には再就職先で「自分の強いところだけしか言わないハッタリだけの人だ」と、持っている能力までもが疑われることになりかねない。
その結果、せっかく見つけた新天地も「針のむしろ」となり、やがては退社へと追い込まれることもありうることだ。
だが、ものは考えようである。
そもそもウィークポイントとは誰にでもあるものである。
それをどう克服するかによって本当の意味の人間としての評価が決まるといった性質のものである。
そこで、新しい職場に入った時、自分のウイークポイントをはっきりと話し、その克服に協力してもらうという姿勢を示してみてはどうか。
そうなると、意地でも自己革新に取り組まざるをえない。
有言実行、自分を磨き、自分を拡げるチャンスでもある。
もちろん、この試みを実行するには、自分が現在持っている能力で、転職先の会社に対して相当の貢献が出来る自信があるという裏付けも必要である。
また、その結果、自己革新と同時に転職先の社員からは「あの人は正直な人だ」という評価を受け、新しい職場環境にいち早く融け込むための有効な手段にもなりうる。
中高年転職の意義を考えよ
サラリーマンが中高年になって転職する目的は何だろうか。
新会社で役職を昇りつめる、給与の倍増が目的だという人もあろう。
しかし、それは少数派である。
多くは、経済生活の維持が目的だと答えている。
しかし、それだけでは中高年になって転職した意義を理解していないし、これからのシニア生活を発展的に過ごすことはできない。
企業リストラに遭遇し、以前よりも小さい会社に追い出され給与も低くなったわが身の不運を嘆くだけで、前と同じように漫然と「会社従属型人間」としての生活を送るだけとなる。
転職という機会は、これからのシニア生活を送るにあたって、人生の再設計とスタートのチャンスでもあるのだ。
このせっかくのチャンスを活かしていないことになる。
40歳代、50歳台のいわゆる熟年サラリーマンは、肉体的にはすで に人生半ばを過ぎている。
これからも発展が期待できるのは、知能面、精神面の拡充である。
こう考えるならば、中高年者の転職の意義とは、「これまでのキャリアに加えて、転職先で習得する知識・経験・ノウハウをしっかりと身につけること。 そして、それをこれからの人生の展開に発展的につなげて行くこと」ではあるまいか。
転職先における昇進や昇格、給与アップは、その結果と考えるべきである。
中高年者にとっての転職という機会は、これから始まる物心共に 豊かなシニア生活に向けての生活再設計のチャンスでもあるし、そ のスタート台でもある。
その意義を噛みしめて、明日のくらしに活かして欲しいものである。
カテゴリー:中高年の転職成功の秘訣
転職先をどう自分で見つけだすか
何の支援もなく離職した場合は、結局、自分で再就職先を探すことになる。
「自分」でということは「自分で探索する範囲」を「自分の持っている情報と足」でできるだけ拡げて行くということである。
種職業斡旋機関を利用するのはもちろん、縁故、出身学校、取引先、新聞広告などあらゆる機会をとらえて活動しなければならない。
待つだけでは何ともならない。
再就職先を決めたルート・手段
厚生労働省調査によれば、転職を決めたルート・手段は次のようになっている。
- (1) 縁故…29.9%
- (2) 広告…25.7%
- (3) 公共職業安定所…21.2%
- (4) 出身学校…10.7%
- (5) 民間の職業紹介など…10.0%
これは、女性、ヤング、ブルーカラーなども含む全再就職者についての調査であるが、縁故が、最も高い比率を示している。
また、公共の職業紹介に対して民間の比率が低いが、中高年ホワイトカラーだけをとってみれば逆の比率も想定される。
これについては、後程検討する。
まず、縁故(コネ)に期待するが、
縁故が、これまでは最も期待できる再就職ルートといえた。
何の 準備もなく孤立無援で失業を経験した人は、まず身近なところから 転職先を探し始める。
かつての大学の先輩・同窓生、知人、得意先の社長、はては親戚に至るまで可能性を探そうとする。
しかし、いざとなる頼れる人は意外に少ない。
頼んでみても社交辞令として「君ならいい再就職があるはずだ」とまでは云ってくれるが具体的な返事はほとんど返ってこない。
日頃のネットワークづくりが疎かだったとも考えるが必ずしもそうではない。
ある中高年リストラ対象者が大学時代の友人に再就職を頼みに行ったところ、逆に先方から「どこかいい先があったら世話してくれ」と云われたという笑うに笑えない話もある。
企業リストラ時代、中高年ホワイトカラーにとっては再就職は厳しい。
次に身近な探索先は公共職業安定所と新聞広告
次に身近にある転職情報源は各地域にある公共職業安定所と新聞広告となる。
公共職業安定所は最近「ハローワーク」などと称し、親しめる公共機関へとイメージ転換を図っている。
しかし、中高年ホワイトカラーの場合はすでに示したように、条件にかなう転職先を見つけだすことはきわめて困難である。
新聞広告も同様である。
中高年ホワイトカラー対象の求人広告はあまり見当たらない。
中高年者募集といえば目立つのは、パチンコ店の住み込み店員、オフイビルの清掃員、夜警貞位である。
こうした身近にある再就職情報は、たえず丹念にチェックし、少ないチャンスをものにする以外に手はない。
簡単にはラッキーな情報は得られない。
民間の転職支援機関利用も一つの手
コネ、公共機関、マスコミなど身近な情報ルートはなかなか成果があがらないとすれば、民間の転職支援機関を利用するのも一つの手である。
以下、民間の最近の動向についてまとめておく。
(1) 民間人材銀行(人材紹介会社)
現在、全国にある人材紹介会社は300社弱。
主に手掛けているのは経営管理者、技術者の紹介である。
経営管理者は30歳以上、技術者は25歳以上で、ホワイトカラー対象の人材紹介が専門ともいえ ここでも求人数よりも求職者の数が圧倒的に多く、少ないチャンスを確実にものにする必要があるとされている。
そのため、求職者自身の職歴(キャリアシート)作成の訓練から始まって、紹介会社へ担当の相談員が同行し面接に立ち会うなど、キメ細かい至れり尽くせりの支援サービスを行う人材紹介会社が増えている。
(2)アウトプレースメント会社
アウトプレースメント会社とは、企業に対する人材紹介は行わず、転職する人へのカウンセリング、教育研修を専門としている転職支援会社である。
一般的には、企業側からの依頼により、出向・転職などリストラ対象社員に対しての教育研修を行うことが多い。
転職支援制度のある会社に所属しているのであれば、転職に際しては積極的に利用すべきである。
最近の注目すべき動向は、このアウトプレースメント会社と人材会社のタイアップ。
転職のための能力再開発研修から再就職先斡旋にいたるまでの転職支援のパッケージサービスの登場である。
(3)転職支援パッケージサービスの事例
以下に、最近のパッケージサービスの一例として、経理担当者をターゲットとした「中高年転職支援研修パッケージ」の概要をかかげるものとする。
コースの受講対象者は中堅・中小企業への出向・転職予定の中高年経理担当者。
研修期間は二ヶ月で、月曜〜金曜の10時から17時30分まで。
ちなみに、料金は転職斡旋まで含んで一人180万円である。
コースには、総合的な能力開発、出向先・転職先等の情報提供、モチベーションの向上等のプログラムがパッケージされている。
研修には二種類あり、「実務研修」では、経営戦略、マーケティング、予算・資金管理、経理事務などを学び、「セカンドキャリア研修」では、応募書類の書き方訓練、面接セミナー、性格テスト、ライフプラン・セカンドキャリアセミナーなどが行われる。
2ヶ月間のコースが終了しても、転職先が決まらない場合は転職先情報提供とカウンセリングは継続して行われることになっている。
中高年サラリーマンにとって転職先を自分で見つけ出そうとすれば、以上のようにきわめて厳しいものがある。
あせらずに、しかし、有力情報は見逃さない体系的で丹念な探索が大事といえる。
そして、チャンスは確実にものにすることである。
カテゴリー:中高年の転職成功の秘訣
中高年サラリーマンの転職の意義と成功条件
会社を辞めたい、また辞めたくなくてもリストラを迫られた時、これまで組織で生きてきた「会社人間サラリーマン」の多くは、まず「転職」というコースを選ぶことになる。
しかも、時代は人材流動化時代、若者を中心に転職志向が高まっている。
また、大手企業であれば、様々な転職支援の制度もある。
だが、いざとなると中高年にとって転職のハードルが高いのが最近の情勢である。
特に、中高年ホワイトカラーの場合は、自分に適合する求人先がなかなか見つからない。
もし、あったとしても、給与その他の勤務条件が大幅のランクダウンとなるケースがほとんどである。
それでも、わが家の経済生活は維持しなければならない。
転職を成功させねばならない。
そこでここは、まず転職市場を分析し、それに次いで、転職先の見つけ方、中高年の転職成功条件についての検討を進めるものとする。
ただし、中高年になってからの転職には、単なる経済面にとどまらないもう一つの大きな意義がある。
40歳台、50歳台という世代は人生 の折り返し点に立つ世代であり、「転職」という機会は、これから始まるシニアライフ設計のチャンスでもあるし、スタート台でもあるのだ。
この意義を噛みしめて、物心共にゆたかなシニア生活のために、転職という機会を活かして欲しいものである。
12人に1人は転職したい
転職を希望している人の数は519万人もいる。
総務庁の調査によると、85年には366万人だった転職希望者は95年には過去最高の519万人、つまり就業者全体の12人に1人は転職したいと考えているのである。
その中で195万人の人が実際に仕事を探している。
なお、95年の完全失業者は210万人だから、その2倍以上の転職予備軍がいることになる。
問題はその中身だ。
リストラの第一候補の中高年者は転職指向が低く若者中心の転職市場となっていることだ。
米国の大卒ホワイトカラーの場合は入社後数年間は転職を繰り返し、天職を見つけ、その職場でキャリアをつんだ後定着率が急速に向上するといわれている。
日本の場合、定職につかなくても衣食住は何とかなるという豊かな時代を背景に、いまの若者は「我慢ができない世代」であり、「いやなら我慢しないで辞めればいい」と考えているとされる。
人材流動化の時代が始まったといわれているが、東西を問わず若者を中心としているのが、転職市場の特性なのである。
逆に、中高年の場合、時代に逆行して定着志向が高まりを示している。
中高年の場合は、追い込まれてからの「転職先」探しが主流となっている。
人材流動化への環境いまだ整わず
日本的雇用の崩壊と若年労働者の減少により、中・長期的には中高年者にも転職市場が拡大するのは確実だ。
しかし、この増大する転職希望者に対応する体制は旧態依然の状態であり、その整備は立ち遅れている。
特に、ホワイトカラーに対する職業紹介状況を職業あっせんの公共機関であるハローワーク(公共職業安定所)についてみると、需給のミスマッチが著しい。
即ち、安定所が扱う企業からの求人はブルーカラーが中心なのに対し、求職希望者は事務系が急増している。
その結果、中高年ホワイトカラーの場合は東京など全国25都市にある人材銀行が所管しているが、事務職の求人1人に対し求職者は100人という事態も生じている。
それなら定職がみつかるまでは人材派遣業を利用しようとしても、中高年サラリーマンには縁のない職種がほとんどである。
人材派遣のできるのは、コンピュータ関連、通訳、翻訳、速記、秘書、旅行者サービス、建物内清掃など13職種に規制されている。
そこで規制緩和の一つとして、労働者の審議会が広告デザイン、セールスエンジニアなど12職種の追加を提案。
やはり中高年サラリーマン対象のものは少ないが、その中に総務・人事分野の仕事である「企業の組織等に関する制度の設計または変更」という職種がある。
ただし、審議会の労働側委員は「企業の根幹にかかわる分野であり、派遣を認めるべきでない」と反対。
せっかくの中高年ホワイトカラーを対象とする提案も先き送りされる懸念がある。
こうした状況ではあるが、95年後半頃から民間職業紹介機関ではホワイトカラーを対象とする求人と成約数が増加傾向にあるという。
その背景には、中堅、ベンチャー企業が積極的な中途採用を行い始めていること、大企業も新卒重視から必要な人材を中途採用などにより随時獲得するなど雇用形態が柔軟になったことなどがあげられる。
職業紹介最大手、リクルート人材センターの紹介件数は2,300件と前年度の1,700件から大幅に増加したといわれる。
増加したのは、店頭公開を控えた有力ベンチャー企業、情報関連企業、外資系企業からの幹部、技術者の求人である。
しかし、中高年にとってはやはりハードルが高い。
例えば、求人側企業が求めているのは即戦力となる人材であり、頭の固い中高年者の場合は新会社に適応するには時間が必要とみている。
また、ベンチャー企業への転職などの場合は年収面で折り合いのつかないことも多い。
その一方、買手市場である求人企業側は中途採用者を厳選できる。
その結果、高度な管理、実務能力や専門技術を持つ人でないと転職は難しいというのが現状だ。
企業は真の人材を求めている
何も悲観することばかりではない。
会社はリストらを進めるその一方で、激変する経営環境に対応できる「真の人材」を求めているのだ。
そして、人材流動化時代を背景に中途採用を積極的に行おうとしている。
あとは、あなた自身の問題だ。
つまり、新しい職場に適応する自己改革と能力再開発(あるいは能力の見直し)を行い、自分自身に自信を持って新しい会社への転職へ挑戦することが出来るかどうかだ。
ここで、企業サイドからの中途採用に対するニーズの変化を整理しておこう。
以下、「大卒ホワイトカラー中途採用の現状に関する調査」(リクルート人材センター調査)から、そのポイントを要約する。
なお、調査対象は中小企業も含むリクルートサークル企業である。
「人員」は過剰だが、「人材」不足が重要課題となっている
長期不況下、解雇、出向などの雇用調整を実施する企業は多い。
この雇用調整は単に不況に対処するだけのものではなく、日本経済の構造変革に対応するための企業にとっては必然的政策である。
つまり、企業の発展方向が、これまでの量的拡大路線から、高付加価値化、低価格化、効率化など「質的拡充路線」へと変換した。
それに伴って利益体質の強化、生産性の向上、効率化を図る組織・機構の改革が企業の最重要経営課題となっている。
ところが、こうした経営課題を解決するための人材が十分にそろっているとする企業は1割程度。
それだけにこれら経営課題に対処できる「人材」については、現在の厳しい経営環境下でもニーズが強く、そうでない「人員」については雇用調整は続く。
転職にあたってはこうした二面性があることを、認識しておく必要がある。
人材が育つのを待てる余裕のある企業は少ない
現在、各社が求めているのは、次代を担う牽引車的役割の人材、経営に対して新しい視点から助言・提言できる人材、各部門のレベルで業務の効率化・生産性向上の具体的な施策の立案・推進できる人材である。
これら上位にランクされた業務の多くは、中高年者のこれまでのキャリアを活かせるものが多い。
こうした人材の社内ストックは一般的には少なく、一朝一夕に育てられるものではない。
特に、人材ストックの少ない中堅・中小企業の場合は深刻である。
また、社員層の厚い大企業でも企業の中核 となる人材は少なく、育成するとしても画一的会社人間をそこまでに育てあげるのは難しい。
そこで、事態を早急に打開するために、経営課題を解決できる高度な専門能力を持った人材の中途採用が不可欠となっている。
特に、中堅・中小企業においてのこうした人材への不足感は極めて強い。
大きい「中途採用」のメリット
必要とする人材を確保するための対応策として、まず上位にあげられるのは当然の結果として、「社内の人材育成・配置転換」、「新規学卒の採用と育成」である。
注目されるのは第3位に「中途採用による人材の補強」があげられ、3割近い企業が中途採用を行っている事実である。
激変する経営課題に直面、社内の人材が育つまでは待ってはおられない企業が多くなっているのである。
この中途採用を行う理由であるが、新卒が採用できないという 理由は最下位であり、中途採用ならではのメリットが上位にあげられ、中途採用が企業にとって必然化していることを示している。
「直面する経営課題に対応する特定部門の特定能力を補強するため」、
「キャリア・実績をもとに採用できるので、新卒よりも確実な人材が採用できる」、
「他業界や他社の高度なノウハウやスキルを取り込むことができる」
が上位の理由としてあげられる。
なお、今後の大卒者確保の方針として、全面的に新卒採用で対応するという企業は3社に1社にとどまり、6割の企業では中途採用を継続する意向を示している。
特に、中堅・中小企業では4社に3社が中途採用継続の方針である。
能力・経験・姿勢が採用の最重視点
大卒中途採用者の採用条件として重視度が増している要素として4社に3社が「能力・専門性」をあげている。
第2位は「経験や知識の豊富さ」で6割弱、次いで「取り組み姿勢・意欲」で4割弱の企業が重視度が増したとしている。
以下、「課題解決能力」、「実行 力・リーダーシップ」、「仕事に対する視点・視野」となっている。
しかし、従業員規模別にみると若干のニュアンスの違いがある。
大規模企業群では能力、経験に次いで課題解決能力があげられているのに対し、小規模企業群では能力に次いで取り組み姿勢・意欲があげられ経験はその次になる。
いずれにせよ、現在の厳しさを増す企業環境下の中途採用には、何よりも経営問題解決のための具体的な能力と熱意が問われているといえる。
30代前半中堅社員に企業ニーズは集中するが・・・・
中途採用の対象層を年齢別にみると、30代前半、次いで20代後半の人材を6割近い企業が中途採用の対象としている。
これが40代後半になるとわずか4.2%、50代以上では2.3%となる。
想定される役職でみると中堅一般社員へのニーズが最も高く5割強、次いで主任・係長クラスとなっている。
これに対し、課長クラスでは22.4%、部長クラスになると6.2%の企業がニーズがあるとしているにすぎない。
以上、ここでも中高年にとっては厳しい条件が示される。
しかし、経営課題の変化、必要とする人材の高度化にともなって、中途採用 人材の年代は上昇傾向にある。
中高年ホワイトカラーにとって重要なことは、肉体的年齢へのこだわりを捨てて、自分の精神的年齢、頭脳的年齢の若さを売り込むことが出来るか、否かではないだろうか。
相手企業にとって必要な人材であり、また魅力ある人材であれば「転職=天職」への道は開かれるはずだ。
企業の転職支援も活発
一方、社員を出す側の企業も転職を促進するために様々な対策を打ちだしている。
特に、大手企業の場合は「社員にやめていただく」ために至れり尽くせるともみえる支援を行うケースが増えている。
例えば、日本型経営の典型ともいえる松下電器産業は、5ヶ年計画で終身雇用・年功序列をベースとした雇用形態を根本的に見直すこととしており、その第一弾が96年4月に転職を支援するために制度化した「ライフプラン支援制度」である。
この制度は退職金の特別加算と休暇制度が二本柱。
退職加算金は若いほど多く、50才なら年収の2.5年分、55才なら1年分となる。
また、退職直前の3ヶ月は資格取得など転職のための有給休暇期間とし、給与・ボーナスも支給される。
この制度が適用されるのは50〜58才の課長職以上でグループ企業を含む9万人の社員のうちの約4,500人である。
この制度の利用を希望する社員には、社長直轄のキャリア開発室を設置、情報提供などの支援を行うことになっている。
こうした制度は比較的歴史の浅い業界でも見受けられる。
例えば、コンピュータ業界。
今ようやく定年を迎える社員が出始めた段階だが、十数年後には停年となる40代後半から50代にかけての団塊の世代が多く、社員の年齢構成がいびつになっている企業が多い。
すでに紹介した、日本IBM社の早期退職者優遇制度もそれに対応した制度である。
ここでは、日本ユニシス社の「進路選択支援プログラム」について概略述べる。
同プログラムは94年3月に施行。
転籍、再就職、独立の三つの柱からなり、次の6つの選択肢のうちのいずれかを選ぶことが出来るようになっている。
- (1) 子会社への転籍…対象50〜55才
- (2) 関連会社への再就職…対象50〜55才
- (3) 協力会社(主に地方)への再就職…対象48〜58才
- (4) その他の企業への再就職…対象45〜58才
- (5) 独立支援(UFP)…対象55才未満、勤続年数20年以上
- (6) その他の独立支援…対象45〜58才未満
この制度がスタートして、不況を反映してか一般企業への再就職は2割にとどまり、最も人気のあるのは「その他の独立」だったという。
なお、UFPとは「ユニシスファミリーパワー」の略で、日本ユニシスの事業委託と支援により独立するケースを指すが、現実には利用されていないという。
このように、大企業、有力企業に所属しておれば、退職金加算、退職のための研修、準備のための有給休暇、さらには転職先の紹介など様々な転職についての支援も受けられる。
だが、問題はこうした支援がほとんど受けられずに転職へと追い込まれる多くの中高年サラリーマンが、もう一方にはいることである。
資金的なユトリもなく転職支援の制度もない中小企業に勤めているような場合、ある日突然会社が倒産した場合、自ら会社の支援も無視して会社を飛びだした場合などである。
孤立無援、自分で再就職先を見つけなければならない。
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