転職先をどう自分で見つけだすか
何の支援もなく離職した場合は、結局、自分で再就職先を探すことになる。
「自分」でということは「自分で探索する範囲」を「自分の持っている情報と足」でできるだけ拡げて行くということである。
種職業斡旋機関を利用するのはもちろん、縁故、出身学校、取引先、新聞広告などあらゆる機会をとらえて活動しなければならない。
待つだけでは何ともならない。
再就職先を決めたルート・手段
厚生労働省調査によれば、転職を決めたルート・手段は次のようになっている。
- (1) 縁故…29.9%
- (2) 広告…25.7%
- (3) 公共職業安定所…21.2%
- (4) 出身学校…10.7%
- (5) 民間の職業紹介など…10.0%
これは、女性、ヤング、ブルーカラーなども含む全再就職者についての調査であるが、縁故が、最も高い比率を示している。
また、公共の職業紹介に対して民間の比率が低いが、中高年ホワイトカラーだけをとってみれば逆の比率も想定される。
これについては、後程検討する。
まず、縁故(コネ)に期待するが、
縁故が、これまでは最も期待できる再就職ルートといえた。
何の 準備もなく孤立無援で失業を経験した人は、まず身近なところから 転職先を探し始める。
かつての大学の先輩・同窓生、知人、得意先の社長、はては親戚に至るまで可能性を探そうとする。
しかし、いざとなる頼れる人は意外に少ない。
頼んでみても社交辞令として「君ならいい再就職があるはずだ」とまでは云ってくれるが具体的な返事はほとんど返ってこない。
日頃のネットワークづくりが疎かだったとも考えるが必ずしもそうではない。
ある中高年リストラ対象者が大学時代の友人に再就職を頼みに行ったところ、逆に先方から「どこかいい先があったら世話してくれ」と云われたという笑うに笑えない話もある。
企業リストラ時代、中高年ホワイトカラーにとっては再就職は厳しい。
次に身近な探索先は公共職業安定所と新聞広告
次に身近にある転職情報源は各地域にある公共職業安定所と新聞広告となる。
公共職業安定所は最近「ハローワーク」などと称し、親しめる公共機関へとイメージ転換を図っている。
しかし、中高年ホワイトカラーの場合はすでに示したように、条件にかなう転職先を見つけだすことはきわめて困難である。
新聞広告も同様である。
中高年ホワイトカラー対象の求人広告はあまり見当たらない。
中高年者募集といえば目立つのは、パチンコ店の住み込み店員、オフイビルの清掃員、夜警貞位である。
こうした身近にある再就職情報は、たえず丹念にチェックし、少ないチャンスをものにする以外に手はない。
簡単にはラッキーな情報は得られない。
民間の転職支援機関利用も一つの手
コネ、公共機関、マスコミなど身近な情報ルートはなかなか成果があがらないとすれば、民間の転職支援機関を利用するのも一つの手である。
以下、民間の最近の動向についてまとめておく。
(1) 民間人材銀行(人材紹介会社)
現在、全国にある人材紹介会社は300社弱。
主に手掛けているのは経営管理者、技術者の紹介である。
経営管理者は30歳以上、技術者は25歳以上で、ホワイトカラー対象の人材紹介が専門ともいえ ここでも求人数よりも求職者の数が圧倒的に多く、少ないチャンスを確実にものにする必要があるとされている。
そのため、求職者自身の職歴(キャリアシート)作成の訓練から始まって、紹介会社へ担当の相談員が同行し面接に立ち会うなど、キメ細かい至れり尽くせりの支援サービスを行う人材紹介会社が増えている。
(2)アウトプレースメント会社
アウトプレースメント会社とは、企業に対する人材紹介は行わず、転職する人へのカウンセリング、教育研修を専門としている転職支援会社である。
一般的には、企業側からの依頼により、出向・転職などリストラ対象社員に対しての教育研修を行うことが多い。
転職支援制度のある会社に所属しているのであれば、転職に際しては積極的に利用すべきである。
最近の注目すべき動向は、このアウトプレースメント会社と人材会社のタイアップ。
転職のための能力再開発研修から再就職先斡旋にいたるまでの転職支援のパッケージサービスの登場である。
(3)転職支援パッケージサービスの事例
以下に、最近のパッケージサービスの一例として、経理担当者をターゲットとした「中高年転職支援研修パッケージ」の概要をかかげるものとする。
コースの受講対象者は中堅・中小企業への出向・転職予定の中高年経理担当者。
研修期間は二ヶ月で、月曜〜金曜の10時から17時30分まで。
ちなみに、料金は転職斡旋まで含んで一人180万円である。
コースには、総合的な能力開発、出向先・転職先等の情報提供、モチベーションの向上等のプログラムがパッケージされている。
研修には二種類あり、「実務研修」では、経営戦略、マーケティング、予算・資金管理、経理事務などを学び、「セカンドキャリア研修」では、応募書類の書き方訓練、面接セミナー、性格テスト、ライフプラン・セカンドキャリアセミナーなどが行われる。
2ヶ月間のコースが終了しても、転職先が決まらない場合は転職先情報提供とカウンセリングは継続して行われることになっている。
中高年サラリーマンにとって転職先を自分で見つけ出そうとすれば、以上のようにきわめて厳しいものがある。
あせらずに、しかし、有力情報は見逃さない体系的で丹念な探索が大事といえる。
そして、チャンスは確実にものにすることである。
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