中高年の求人情報をどう見つけ出す?
条件の良い転職情報はきわめて少ない。
これをどう再就職にまで持ち込むか。
そして、就職には成功してもはたして転職先会社に定着できるかなど、中高年の成功には問題が多い。
転職成功までには二つのハードル
中高年サラリーマンの転職成功には二つの課題があるとされる。
第一は、自分を「さすが」と思わせるセールスポイント、あるいは転職先企業に適合する能力がないと相手先からみられる中高年サ ラリーマンが非常に多いということである。
何十年ものキャリア蓄積してきたのだ。
能力自体の問題もあろうが、同時に自分をアピールする力、相手企業への適応力の弱さも指摘できる。
第二は、大企業から中小企業へというように転職先企業のランクが下がることが多い。
ランクが下がれば給与も勤務条件もそれに伴って落ち込む。
これがまず転職決定にあたっての大きな壁になる。
そして再就職したとしても、新しい会社の企業環境とも社員ともなかなかなじめない。
こうして、有力情報があったとしても転職に成功しその会社に定着する中高年層の確率はきわめて低く、10人に1人もいればいいとさえ言われることになる。
そこで、転職を成功させる基本的条件として一般的にあげられるのは
- ・意識改革をせよ
- ・過去のプライドを捨てて、ゼロからスタートする心がまえを持て
といったことである。
転職を成功させるには、まず「心のあり方」を変えることから始めなければいけないようである。
以下、「こころ」の問題からスタートして、転職を成功に導く条件を具体的に検討してみることとする。
転職を「生き方を前向きに変える」チャンスとせよ
人生80年時代。 現在40歳の人はこれからさらに40年、50歳の人はさらに30年の人生を生きることになる。
若さを保持する秘訣の一つは、環境変化に対応して自己革新を行い続けることだという。
そうすれば、転職とは自己革新のチャンスであり、転職という機会は自分の若さを取り戻すために神が与えてくれた試練だと思う位の、「陽転思考」つまり前向きの気持ちが欲しいものである。
そのためには、「ゼロ」からスタートするといった気構えが必要である。
これまでは、前の会社のブランドに守られてその「ラベル(レッテル)」を自分にはりつけて仕事をしていた。
その会社を辞めれば、もうブランドとラベルは役に立たない。
自分自身の人間として価値と能力、即ち、自分自身の「レベル」が問われることになる。
そして、現在の自分はそれ以上の自分ではない。
この視点にたてば自分がはっきりと見えてくる。
何が自分の強味なのか、問題なのか。
裸にした自分で再スタートすれば、こわいものはない。
転職にあたっても、自分の何を売り込み、何を改善すればよいか、目標を明らかにした前向きのチャレンジが出来るようになる。
次は、これからの人生全体という大きな見方で、今回の転職がどのような意義があるか、その位置づけをはっきりさせることだ。
再就職により今後も会社生活を続けることになったというが、それはこれからの長い人生の中では一つの過程にすぎない。
もちろん、転職先の企業ブランド、役職が何であるかも大事なことである。
しかし、永い人生の視点にたてば、そこから何を学び、そこで自分をどう磨き、自分のこれからの人生にどう活かすかが、何よりも大切といえる。
転職にあたっては、企業ブランド、役職というラベルへのこだわりは捨てよう。
自分を充実させること、そこから人生全体を見すえた新しい展開を図ること。
これが、転職という神が与えた機会を前向きに活かすことになる。
自分の「セールスポイント」を打ち出せ
何十年も会社の云うま・まに「会社人間」として過ごしてきた中高年サラリーマンの多くは、自分自身の真の価値がわからなくなっている。
転職にあたっては、まず「商品」としての自分の価値を見つめ直すところからスタートする必要がある。
以前述べたように、転職市場での売りものは「自分自身」以外にない。
過去の会社経歴というブランド、役職というラベルも当然評価の材料にはなるが、それは参考資料にすぎない。
自分自身のキャリアと能力の特徴と長所は具体的にみて何であるか、弱点はあるがそれをどう克服しようとしているか、そして仕事に取り組む姿勢と意欲などを明らかにしなければならない。
つまり、自分自身の商品価値「セールスポイント」を明確にして、それを相手企業にそれを売り込み説得しなければならない。
あなたにはどのようなセールスポイントがあるか。
一例として、アメリカのMBA(経営学修士)プログラム用の評価項目を参考までにかかげておく。
転職におけるセールスポイントと共通するものがある。
- (1) 仕事の達成度
- (2) 計画遂行能力
- (3) リーダーシップ能力とグループスキル
- (4) 能力の活かしかた
- (5) 一般的能力と専門的能力の「コンビーテンス(競合性)とバランス」
- (6) 個人的インテグリティ(清廉さ)
- (7) 分析能力
- (8) 言葉による表現力
- (9) ユーモアのセンス
- (10) 自己鍛錬
- (11) 積極性と自信
- (12) 創造性とその質
- (13) マネージアル・ポテンシャリティ
- (14) リーダーシップ・ポテンシャリティ
自分をしっかりと売り込め
自分を売り込む機会は主として履歴書などの書類提出と面接である。
これについては類書も多いので、ここでは、多少技術的なこととはなるが、提出書類の一つ「職務経歴書」とそれに付随するものとして「自己PR書」を取り上げる。
中途採用の場合は、形式的な履歴書よりも職務経歴書を重視する傾向になっている。
求職する側にとっても、自分の全体像を具体的 に相手企業に示すだけでなく、書き方にもよるが自分のセールスポイントをしっかりと売り込むことも出来る。
職務経歴書の書き方としては、「編年体式」と「キャリア式」があり、この二つを組み合わせたものなどがある。
特に指定がない限り書き方は自由である。
編年体式とは、これまでの経歴の順に、いわば職歴の年表として作成する方法である。
始めに自分の職務の要約を示し、それに沿って実務経験を記述すれば、自分のキャリアの全体像を相手企業に客 観的に表現することが出来る。
それを、さらに強くアッピールするためには、実務のデータは具体的に数字で示す、担当した事業などは名称だけでなくその特徴まで示すなどの工夫が必要である。
また、表現上の留意点はくどくどと書かずに要点を簡潔にまとめることであり、箇条書あるいは表組みにするなど見やすいフォーマットにするべきである。
キャリア式はいうまでもなく、過去の職歴をキャリア毎にまとめる方式である。
これについても一目でわかるようなフォーマットにまとめるのがポイントである。
自分の希望する職種を強くアッピールするためには、関連のある職歴については表組にするなどのメリハリをつける、関連するプロジェクトに参加していた場合にはその中で果たした役割(例えばリーダー)とか成果を明記するなどの配慮も必要である。
当然のことながら、キャリアに関するものは、役職、実務、資格、免許など漏れなく記入する。
この職務経歴書に加えて、「自己PR書」の提出を求める企業が最近増加している。
求職者にとって自己PR書は、自分を売り込みライバルに差をつけるチャンスでもある。
相手企業から提出を求められなくても、職務経歴書に自己PRの項目を設けそこで自分を売り込むことが出来る。
この自己PRの目的は、すでに示した自分の真の価値をトコトン追求した結果である「自分自身のセールスポイント」を相手企業に対して明示することである。
記述する上での留意点には次のようなものがある。
(1) 簡潔に素直に自分のセールスポイントを表現する。
(2) 相手企業を出来るだけ分析し、相手企業にあわせて希望する職種とそれに対応する自分のキャリア、能力を明らかにする。
(3) 長所のみならず、短所も提示してみることも一つの方法。それをどう克服しようとしているかも加える。
こうした姿勢は誠実さと自己啓発への意欲があると評価されることにもなる。
(4) これまでの会社の批判はしない。 むしろ、そこで何を学んだかをアッピールする。
(5) 記述の仕方は、読みやすさ、わかりやすさが大切である。
そのためには記述量としてはレポート用紙2枚以内、論理的な全体構成、読みやすいレイアウト、手書の場合はていねいでしっかりした文字で書くことなどが望まれる。
こうした自己PR書作成にあたっての留意点は、面接に際しての心がまえとも共通するものがある。
参考にしていただきたい。
ウイークポイントは逆に生かせ
自分の売り込みが成功して再就職は出来た。
しかし、自分の短所、弱点への対処の仕方如何によっては、せっかくの転職先を去らざるをえなくなることも多く見受けられる。
本来、ウイークポイントとは自分の売り込みに成功したストロングポイントの裏側によくあるものであり、表裏一体となっているこ とも多い。
そして、自分のウイークポイントについては、面接の際だけでなく新しい会社に入ってからも、それを隠そうとする、あるいは隠そうとしないまでもそれを避けて通ろうとする傾向がある。
しかし、それはいつかは必ず外に現れる。
そして、その時には再就職先で「自分の強いところだけしか言わないハッタリだけの人だ」と、持っている能力までもが疑われることになりかねない。
その結果、せっかく見つけた新天地も「針のむしろ」となり、やがては退社へと追い込まれることもありうることだ。
だが、ものは考えようである。
そもそもウィークポイントとは誰にでもあるものである。
それをどう克服するかによって本当の意味の人間としての評価が決まるといった性質のものである。
そこで、新しい職場に入った時、自分のウイークポイントをはっきりと話し、その克服に協力してもらうという姿勢を示してみてはどうか。
そうなると、意地でも自己革新に取り組まざるをえない。
有言実行、自分を磨き、自分を拡げるチャンスでもある。
もちろん、この試みを実行するには、自分が現在持っている能力で、転職先の会社に対して相当の貢献が出来る自信があるという裏付けも必要である。
また、その結果、自己革新と同時に転職先の社員からは「あの人は正直な人だ」という評価を受け、新しい職場環境にいち早く融け込むための有効な手段にもなりうる。
中高年転職の意義を考えよ
サラリーマンが中高年になって転職する目的は何だろうか。
新会社で役職を昇りつめる、給与の倍増が目的だという人もあろう。
しかし、それは少数派である。
多くは、経済生活の維持が目的だと答えている。
しかし、それだけでは中高年になって転職した意義を理解していないし、これからのシニア生活を発展的に過ごすことはできない。
企業リストラに遭遇し、以前よりも小さい会社に追い出され給与も低くなったわが身の不運を嘆くだけで、前と同じように漫然と「会社従属型人間」としての生活を送るだけとなる。
転職という機会は、これからのシニア生活を送るにあたって、人生の再設計とスタートのチャンスでもあるのだ。
このせっかくのチャンスを活かしていないことになる。
40歳代、50歳台のいわゆる熟年サラリーマンは、肉体的にはすで に人生半ばを過ぎている。
これからも発展が期待できるのは、知能面、精神面の拡充である。
こう考えるならば、中高年者の転職の意義とは、「これまでのキャリアに加えて、転職先で習得する知識・経験・ノウハウをしっかりと身につけること。 そして、それをこれからの人生の展開に発展的につなげて行くこと」ではあるまいか。
転職先における昇進や昇格、給与アップは、その結果と考えるべきである。
中高年者にとっての転職という機会は、これから始まる物心共に 豊かなシニア生活に向けての生活再設計のチャンスでもあるし、そ のスタート台でもある。
その意義を噛みしめて、明日のくらしに活かして欲しいものである。
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