中高年の脱サラが成功する人、失敗する人を分析してみる
中高年にとって、転職は難しい。
それならば、これを機会に長年勤めあげてきた息苦しいサラリーマン生活に別れを告げて、独立しようかという気運がこのところ高まりを見せている。
つまり、終身雇用神話の崩壊を背景とする「脱サラ」ブームである。
しかし、「脱サラ=自立」とは必ずしもならず、独立に成功すると は限らない。
あなたは「卒サラ」できるか
脱サラにより独立事業を始めた人の半数以上は、1年以内にその事業から撤退してしまっているという調査結果もある。
サラリーマンが脱サラし、独立に成功し、本当の意味での「自立」に至る道は険しい。
「会社寄生型人間」としての習性が染みついている中高年サラリーマン
サラリーマンは、基本的に会社従属型人間である。
特に、中高年社員の場合は、何十年も会社の仕組みの中に安住し、生活の全てを会社に依存してしまう習性が身に染みついている。
そこでは、多少 の失敗があろうと、成果があげられなくても、会社の命令にさえ従ってさえおれば人並みの給料と将来は保証されていた。
それが、独立するとなると全てが逆転してしまう。
自分の全財産 を賭けての独立であり、責任は誰もとってくれない。
仕事の方針は自分で決め、結果いかんにかかわらず従業員には給料を支払わねばならない。
全ては自分の責任となる。
即ち、事業家としての事業に対する姿勢、経営者としての経営に対する責任が問われる。
会社従属型人間、サラリーマンとのギャップはあまりにも大きい。
脱サラ成功・失敗の分岐点は、こうしたサラリーマンの習性から脱却できるかどうか、つまり、「卒サラ」できるかどうかにかかっているともいえる。
アダ花に終わらせるな中高年の独立
現在の独立ブームは「時代のアダ花」という見方もある。
極端な人不足で引く手あまたであった求職市場が、バブル崩壊を契機に極端な人余り市場へと大逆転。
今は、リストラされても転職 先はままならないという状況になっている。
そこへ、リストラの主要対象中高年サラリーマンには、早期退職優遇制度による退職金割増や様々な独立支援。
これが追い風となって、安易に独立へと走る危険な傾向も指摘されている。
独立はサラリーマンにとって究極の夢である。
しかし、中高年になってから独立は、年齢的にもやり直しがきかないことが多い。
やるからには必ず成功させなければならない。
現実には成功と失敗がある
こうした夢を求めての脱サラは、現実としてやがて二つのグループに分かれる。
成功と失敗という二つのグループに向ってである。
第一は事業として成功させ、さらに経営として発展させようとするグループである。
つまり、サラリーマンを卒業。 そのキャリアを生かし、あるいはそれをさらに発展させ、ビジネス社会では事業家、経営者というもろ一つ上のクラスにランク入りしようとする「卒サラ」グループである。
第二は、独立に失敗するグループ。
サラリーマンとしても失敗であった人も多く、ビジネス社会から脱落の方向にある。
もちろん、独立、あるいはサラリーマンへの再挑戦を続ける限り、完全な脱落はありえない。
サラリーマン独立のケーススタディ
サラリーマン独立の具体的検討に入る前に、ある企業における社員の独立についての実態を紹介してみることにする。
事例は前章でも取りあげた日本ユニシスの「進路選択支援プログラム」のその後の経過(スタート後1年7ヶ月の時点)である。
日本ユニシスを退社し、新たな進路を選択した社員は110名。
そのうち、再就職組は不況により転職先に恵まれないこともあり2割と少ない。
これに対し、ユニシスグループに依存しない完全独立組が8割を占めている。
独立選択の背景には、退職金と独立支援金を合わせると年齢によっては5,000万円もの事業資金が提供されるという魅力があったことも見逃せない。
また、制度が施行されて1ヶ月以内に独立を果たした人は10名もおり、早くから独立を目指していた人にとって独立支援金は渡りに船だったということもできる。
独立した社員の主な事業は、日本ユニシスに在籍していた時のキャリアを生かしたシステム開発受託・翻訳・海外向けコンサルティング、自分の趣味を生かした農業・大工・碁会所など、そのほかラーメン店・コンビニエンスストア・クリーニングチェーンなどとさまざまである。
制度制定後まもない途中経過であるが、独立して順調に業績をあげている人はまだほとんどいないとのが実情という。
しかし、自分の思う通りに生きたい、自分の趣味を生かしたいというのが独立の最大の理由とする人にとっては、仕事と時間がセルフコントロールできるようになり、会社時代のストレスが解消したことが満足になっているという。
以上、独立しても経済的に成功するまでには、相当の時間と苦労を必要とする。
しかし、経済よりも「ゆったりとした生活を送りたい」とする中高年者にはそれなりの満足が得られているといえる。
以上、「人事マネジメント」(アーバンプロデュース社)より。
以下、サラリーマン独立の代表的パターンについて具体的に検討することとする。
独立といっても様々なパターンがあるが、当サイトで取りあげるのは次の代表的な二つのケースである。
- (1) スペシャリストとしての独立
- (2) 個人事業による独立
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