「余分な社員」はカットしたい会社の本音
大競争時代、会社には余分なサラリーを支払うユトリはない。
出来ることならば過剰となった社員はカットしたいが、それがなかなか出来ない。
これが高度成長期からバブル期を経て膨張に膨張を重ねた企業経営の最大のジレンマとなっている。
社員の需給バランスは崩れ社内失業は深刻になる
日本の人口構成は高齢化が急速に進んでいる。
かつてのピラミット型だった人口構成はビア樽型さらには筒型に変わり、21世紀には増大 する高齢人口を若年層などの生産年齢人口が支えきれなくなる‥。
これと同じことが会社ではとうに始まっている。
社員構成では中高年層はすでにふくれあがっている。
これが高度成長期であれば事業拡大・ポスト拡大・若年社員大量採用によりバランスをとることが出来た。
しかし、現在は企業リストラ時代、ポスト不足どころではなく、人件費が高く能力向上もあまり期待できない中高年層は余分な存在となりつつある。
。
社員の供給と需要のバランスは完全に崩れ社内失業者は急増、これらは必然的にリストラの対象となる。
情報化による組織破壊も中高年層排除に向かう
マルチメディアなど情報化の進展は企業組織にも革命をもたらすものである。
近未来の企業組織では現在人手によっている管理業務のほとんどは機械に置きかえることができる。
同時に業務の社外化は進み、かなり高度で専門的なものまでの外注(アウトソーシング)が行われるようになる。
未来企業に必要な人材とは、極端にいえば、経営トップと中核となるコア人材だけでよいことになる。
コア人材とは「ビジネスリーダー」「情報企画コーディネーター」「高度の専門技術者」などである。
これに将来のコア人材候補生が加わればよい。
日常業務は専門的なものについては外部企業のアウトソーシングネットワークへ。
単純業務については外注あるいはパートにより行う。
ここには従来の根回し調整型の年功の結果として管理職が入り込む余地はほとんどなくなる。
すでに、徹底したアウトソーシングで急成長を遂げている企業事例も出始めている。
例えば、リーズナーブル価格の料理提供で、たちまち100店を超える店舗展開に成功したイタリアレストランチェーンのサイゼリア。
その陰には「小さな本社」による間接費の徹底的削減がある。
同社の場合、経営管理のシステム化をトコトン追求。
人事に至るまでの多くの管理業務を外注している。
こうした急速な店舗展開も社長は数名しかいないという本社スタッフにより推進されたといわれている。
状況認識が甘い中高年サラリーマン
次に職種別に労働者の過不足をみると、現在最も過剰感の高いのは事務職・管理職、つまりホワイトカラー層である。
この傾向は92年度後半から始まり、94年度以降は過不足判断D.I.が20%前後と深刻なものとなっている。
(注)過不足判断D.I.=「不足」とする事業割合−「過剰とする企業の割合」
さらに問題なのは、こうした事実にもかかわらず、中高年管理職層の「今、自分が置かれている状況」についての認識の甘さである。
第一は貢献と報酬についての会社側と中高年社員の意識ギャップである。
中高年層のほとんどは自分の貢献に比べてそれだけ給与は受け取ってはいないと考えている。
これに対して会社側は給与に見合うだけの貢献をしていないと25〜35%の企業は考えている。
年齢が高くなればなるほどこの比率は高くなる。
、もちろんこれまで努力と功績を否定するものではないが、現在の企業には過去の栄光を人事評価に取り入れるだけのユトリはなくなっている。
第二はこのように過剰であり貢献は少ないと評価されているにも かわらず、ほとんどの中高年層は今の会社に少なくとも定年までは残りたいと考えていることである。
今は転職が当たり前の時代になったといわれているが、それは若年層のことである。
現在の人事システムのもとでは、自己都合の途中退職は退職金や年金のカットなど経済 ではきわめて不利な条件となっている。
したがって、中高年層の場合はよほど好条件の転職先が見つからない限り現在の会社に居続けるがよいことになる。
去るも地獄、残るも地獄ならば、今のところ少なくとも給料は保証されている現在の会社に踏みとどまろうというわけである。
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